孔食
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孔食とは材料表面のある箇所だけが優先的に腐食されることです。孔食が発生していない場所は金属光沢を保持していることもあります。孔食は一か所だけでなく複数個所に発生することもあります。孔食が発達すると、配管などでは穴が開き、そこから漏れが発生します。孔食を起こす材料としてステンレス鋼があります。ステンレス鋼の不動態皮膜は通常の環境では耐食性がよいですが、塩化物イオンが多量に存在すると孔食を引き起こします。孔食の起点としては不純物介在物や微細な凹みなどです。孔食によってステンレス鋼の不動態皮膜が破られると鉄イオンやクロムイオンが溶出します。これら金属イオンはプラスのため、マイナスイオンである塩化物イオンをさらに集中させてしまいます。孔食の様子を図1に示します。また孔食していない場所は不動態皮膜を維持しているので、カソードとして安定します。そのため、一度孔食が起きると腐食がその場所だけで進行します。塩化物イオンは海や沿岸などの地域に多いため、これらの場所では防食塗料などの対策がとられます。
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