銅合金組織

銅は身近な金属材料の1つで電気伝導性と熱伝導性に非常に優れています。他にも軟らかく加工性や展伸性に優れていること、耐食性に優れていること、他の金属と違い赤い色をしていることなどが特徴です。このため銅は多くの導線、電気電子材料、熱交換器、日用品など様々なところに使用されています。

無酸素銅

 無酸素銅(C1020)は純銅の中でも純度が高く99.96%以上とされています。名前の通り酸素量の少ない銅です。電気伝導性は純度が高いほど高くなるので、無酸素銅は電気伝導性に優れています。

 写真は無酸素銅(C1020P-1/2H)加工した金属組織です。加工によって組織がつぶされています。また、双晶も多く見られます。

黄銅

 黄銅は銅に亜鉛をおよそ30~40%添加した銅合金です。黄銅の種類によって亜鉛の量はかわります。亜鉛の量が多くなるほど硬くなります。黄銅は黄色い色をしています。また、名称も黄銅の他に真鍮、ブラスなどと呼ぶこともあります。

 黄銅の金属組織は亜鉛30%の時はα単相組織ですが、亜鉛40%になるとα+βの2相組織になります。銅合金の中でも比較的多く使用される材料です。

 写真は黄銅1種(C2600P-O)の亜鉛量30%の合金です。