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金属材料基礎講座-64

参照電極

 電位の基準は標準水素電極ですが、この電極は扱いが難しいです。そのため、標準水素電極に対して一定の電位を示す電極を使用します。この電極を参照電極や照合電極と言います。参照電極に求められることとして、電極反応が可逆で電極電位がネルンストの式にしたがうこと、電位を測定する時に電流によって電位が変化しないこと、競争反応がないこと、どの環境でも電位が一定であることなどが望まれます。表1に代表的な参照電極を示します。

 飽和カロメル電極は甘汞(かんこう)電極とも言います。電解液として飽和塩化カリウム水溶液を用いた飽和カロメル電極が使用されます。しかし、飽和カロメル電極にはHgが使用されるため、使用することが減少しています。銀・塩化銀電極は銀の表面を塩化銀で覆い、それを塩化物水溶液に浸したものです。塩化物水溶液には飽和塩化カリウム水溶液が使用されます。近年広く使用される参照電極です。

 電位測定の時には参照電極と測定する半電池の環境が混ざらないように塩橋とよばれるもので接続します。イオンは塩橋を通過できますが、原子や分子は塩橋を通過できません。

 

表1 参照電極例(25℃)

名称 電極の校正 電位 記号
 標準水素電極 Pt/H2(p=1)/HCl(a=1) 0 SHE 
飽和カロメル電極 Hg/Hg2Cl2/KCl(飽和) 0.241 SCE
銀・塩化銀電極 Ag/AgCl/KCl(飽和) 0.196 SSC