標準水素電極
イオン化傾向は各金属の電位(正確には電極電位という)の相対値ですが、電気化学的には各金属は固有の電位の値を持っています。ダニエル電池における亜鉛と銅の反応はそれぞれの電位をもとに電位差が生まれ、反応が起こります。亜鉛と銅の電位差を測定することは出来ますが、亜鉛と銅のそれぞれの電位を測定することはできません。そこで基準となる電位を決めて、それに対する亜鉛と銅のそれぞれの電位を測定することを行っています。この基準となる電位は標準水素電極と言います。これは温度に関わらず0Vと決められています。酸性溶液中における白金電極上での水素の反応は式(1)のようになります。この時、水素イオンのモル濃度1mol/L(正確には活量1)、水素ガスが1気圧となる時は電位E=0Vという電極です。
このような標準水素電極と亜鉛を組み合わせれば、標準水素電極0Vに対する亜鉛の電位を求めることができます。この亜鉛の反応はアノード反応だけを取り出しているので半電池と呼びます。標準水素電極が0Vなので、得られた電位差が亜鉛の電位となります。同様に標準水素電極と銅を組み合わせれば銅の電位を測定することができます。
コメントをお書きください