溶解度線の析出量
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多くの状態図では固溶体が見られます。そして、固溶体の溶解度は温度とともに低下する傾向があります。その結果、固溶体から別の相の析出が起こります。この時の析出量は状態図の溶解度から読み取ることが出来ます。図1に共晶型状態図の例を示します。赤線で示したA-15%B合金について考えます。温度Tの共晶温度においてA-15%B合金は全てα相となります。そして温度が低下すると緑の溶解度に従ってβ相の析出が起こります。なお、A-90%B合金はβ相からα相の析出が起こります。この時の横軸のS、T、V、Wはそれぞれ以下の意味があります。
S:室温におけるαの固溶限
T:共晶温度におけるαの固溶限
V:共晶温度におけるβの固溶限
W:室温におけるβの固溶限
そして析出量はこれら固溶限の値を使用して式(1)、(2)のように表されます。これは室温において点Tを支点にした「てこの原理」にもとづいて計算しています。即ちα相はWT、β相はTS、分母はWSになります。A-90%B合金は点Vを支点とした「てこの原理」になります。
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