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金属材料基礎講座-222

三元系状態図の組成の表示方法

 三元系状態図では3つの元素から成り立っており、当然3つの元素ABCの量を合計すると100%になります。三元系状態図は三角形で表示するので、三角形の位置から組成を表示します。三角形の辺には組成が表示されます。そして、三角形の中には2つの角度の直線があるので、どの直線がどの元素の組成を表しているか把握することが重要です。三角形の各頂点はそれぞれ各元素が100%であり、そこから離れるにつれて組成が低くなります。

 例として図1にABCそれぞれの元素の組成を表す直線を示します。例えばAの場合、赤線の角度がAの組成を表します。このように頂点とそれに向かい合う辺の間に組成の直線を引きます。辺BCの時、Aは0%となります。同様にBの組成を表す直線、Cの組成を表す直線を(2)、(3)に示します。

 ここで図2に三元系状態図の組成の表示例を示します。今点Pの組成を求めます。A元素は赤線、B元素は青線、C元素は緑線でそれぞれ表します。そしてAの組成は三角形左側のA量の目盛りより50%です。Bの組成は三角形下側のB量の目盛りより20%です。Cの組成は三角形右側のC量の目盛りより30%です。よって点Pの組成の合金はA50%、B20%、C30%の合金です。三元系状態図の組成はこのようにして読み取ります。

 

 

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