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金属材料基礎講座-221

三元系状態図の表示方法

 金属材料の多くはオーステナイト系ステンレス鋼(Fe-Cr-Ni)のように3種類以上の合金から成り立つことが多いです。そのため、状態図は二元系状態図だけでなく、三元系状態図の読み方も理解する必要があります。二元系状態図の基本的な考え方は三元系状態図にも当てはまります。三元系状態図は主に各成分A、B、Cを頂点とした三角形で表します。そして温度は立体的に表します。これを図1に模式的に示します。状態図を単純にするためにABC全率固溶の模式図としました。面ABはAB二元系状態図そのものになります。同様に面BCはBC二元系状態図、面ACはAC二元系状態図です。赤い線は液相線、青い線は固相線です。そして、三元系状態図では液相線が液相面、固相線が固相面となります。オレンジの線、水色の線はそれぞれ液相面、固相面の温度ごとの線になります。これは地図の等高線のようなもので等温線になります。

 二元系状態図と同様に液相線の温度になると凝固が始まり、固相線の温度になると凝固が完了します。図1の状態図ではABCがどんな組成でもα固溶体になります。

 

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