金属材料基礎講座-160

ブラッグの式とミラー指数

 X線回折(XRD:X-ray Diffraction)はX線が結晶体で起こる回折現象を利用して結晶構造の解析などを行うことです。光学顕微鏡やSEMは微小領域の観察に優れていますが、XRDでは試料の全体的、平均的な評価ができます。XRDの試料は板だけでなく粉末も分析可能です。むしろよい回折パターンを得るためには粉末が好まれます。

ブラッグの式には結晶面の間隔に関する項目dがあります。そのままだと都合が悪いので、この結晶面の間隔を金属の結晶構造のミラー指数(100)、(110)などの面間隔として表した方が都合がよいです。立方晶における面間隔とミラー指数の関係は式(1)で表されます。そして、これをブラッグの式に当てはめると式(2)のようになります。

 

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