金属材料基礎講座-161

XRD

 XRD装置の概略図を図1に示します。試料状態はできる限り板より粉末がよいです。それは試料面に(100)、(111)などの様々な面が並ぶことで回折強度のかたよりが少なくなるからです。試料は中心にセットされ、X線の発生器と回折したX線を検出する検出器が円軌道上にセットされています。入射X線が低角度側から高角度へ移動するとともに、入射角θと同じ角度で検出器も同時に移動します。入射X線と検出器の位置関係は試料を中心に2θとなります。XRDの測定結果が横軸2θとして表示されるのはこのためです。もちろん2θを半分で割ればθが得られます。

 例としてAl粉末をXRD測定したグラフを図2に示します。なおX線はCuKαを使用しました。横軸が2θ、縦軸がcps(Count Per Second)というX線強度です。ピークが表れているところが回折強度が強め合っている角度です。

 

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