金属材料基礎講座-153

検量線

 定量分析を行うためには、あらかじめ含有量が明確な試料(標準試料)が必要です。そして、標準試料を使用して定量分析を行う手法を検量線といいます。例として炭素量の検量線による定量分析の概要を図1に示します。

 検量線による定量分析では、組成の異なる標準試料を複数種類用意する必要があります(0%の標準試料を含めて3~5種類程度あるとよいです)。この時用意する最大含有量の標準試料は、分析する試料の予想含有量よりも高くなければなりません。この標準試料を分析機器で分析すると、含有量と強度(分析装置によって異なりますが、例えばEPMAの場合はX線強度になります)のグラフが得られます。このグラフが直線関係で表せることが重要です。その場合、検量線の組成の範囲内であれば、未知試料を測定した時の強度から組成を算出することができます。図1の例では未知試料の強度が白丸であった時は、その炭素量は約1.2%となります。

 定量分析を行う時は、検量線を分析する元素ごとに作成する必要があります。そして、検量線の精度が分析精度に直接影響します。検量線そのものはPCソフトで作成されることがほとんどのため、短時間で多くの元素の検量線を作成できます。そして、未知試料の強度から組成への変換・計算もPCソフトで行われるため、精度よく行われます。人が関与するのは、化学組成が均一で精度のよい標準試料を用意する部分です。