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金属材料基礎講座-85

塗装

 金属材料以外の皮膜防食として自動車や建築物など幅広く使用されるのが塗装です。塗料は塗膜を形成するビヒクルと色の粒子の顔料が溶剤に分散され、そこに添加剤が加えられたものです。この塗料を構成する材料によって油性塗料、合成樹脂塗料などと呼ぶこともあります。塗装方法は簡易な方法としてローラーや刷毛などによる塗装、スプレーによる吹付け塗装などがある。それ以外にも焼付塗装や粉体塗装などがあります。

 塗装は一層の皮膜ではなく、複数層の皮膜にすることがあります。3層皮膜塗装した場合の模式図を図1に示します。3層のうち防錆するのは下塗りとなります。下塗りには防錆塗料が使われるほか、下地金属との密着性によって防食作用を示しています。水や酸素が塗装を通過して金属まで到達しても、塗装と金属が密着していてすき間がなければ腐食電池が形成されにくいです。中塗りとは上塗りと下塗りとの相性をよくするために塗られます。下塗りの目的は防食であり、上塗りの目的は光沢や色合いや美観などです。これら塗装の相性が良いとは限らないため、中塗りが使われます。上塗りは仕上がりとなるので美観や耐候性が重視されます。塗装が劣化する原因の一つに紫外線があります。紫外線に対する性質も重要である。

 また、近年は環境的な視点から塗装を行う時に使用される有機溶剤に対して使用量を減少させる動きがあります。これはVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)排出抑制やVOC対策として、その活動が広がっています。