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金属材料基礎講座-66

標準電極電位

 ギブスの自由エネルギー⊿Gと標準電位E0の間には(1)式が成りたちます。これをE0について表すと(2)式になります。ここで金属のアノード反応と水素のカソード反応の電池と熱力学データによって金属の標準電位を求めることができます。この時の反応は式(3)~(5)のように表します。この(3)式は電池反応の表現になります。(4)、(5)式がそれぞれの電極の反応になります。標準状態では水素イオンの活量aH+=1、水素ガス分圧pH2=1、電位0Vのため、鉄の熱力学データ⊿Gと(2)式から標準電極電位を求めることができます。このようにして他の金属の標準電極電位を求めることができます。それを一覧表にまとめたのが表1になります。

 標準電極電位はあくまで熱力学データの計算によって導き出された値です。電位の卑な金属は腐食されやすく、貴な金属は腐食されにくいですが、実際の腐食環境では温度、溶存酸素、塩化物イオン、pH、流速などによって腐食挙動は変化します。

 

表1 標準電極電位

金属 電位 金属 電位
 Au +1.520 Fe -0.440 
Pt +1.188 Zn -0.763
Ag +0.799 Al -1.676
Hg +0.796 Mg -2.356
Cu +0.340 Na -2.714
H2 ±0 Ca -2.840
Pb -0.126 K -2.925
Sn -0.138 Li -3.045
Ni -0.257