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金属材料基礎講座-49

延性破壊と脆性破壊

 延性と脆性の違いは明確です。延性とは応力を負荷された時に伸びやひずみが生じ、破壊した時には元の形状から異なることです。反対に脆性とは応力を負荷された時にほとんど伸びやひずみが見られず、破壊した時にはほとんど元の形状を保っていることです。感覚的に両者の違いは明確ですが、現実的に延性と脆性の明確な境目を決めることは難しいです。マクロ的な延性・脆性とミクロ的な延性・脆性があるからです。マクロ的にひずみがほとんど無視できるような破壊であっても、破面には延性的な伸び(ディンプル)が観察されることがあります。ここではマクロ的な伸びやひずみを元にした時の延性・脆性を延性破壊・脆性破壊と呼びます。また、ミクロ的な延性・脆性に対しては延性破面・脆性破面と呼び区別することとしました。

 引張試験において延性破壊と脆性破壊の試験片を比較して図1に示します。延性破壊は鉄鋼材料の引張試験片などに見られるように全体伸びと破断部付近の局部伸びが観察されます。脆性破壊の試験片はほとんど伸びが見られないために、破断した試験片を合わせると元の形状が再現できます。