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金属材料基礎講座-18

純金属の凝固組織

 金属を凝固する時は特殊な場合を除き鋳型などの型の中で凝固が行われます。この時、鋳型の場所によって冷却速度に違いが生じます。最も冷却速度が速くなるのは鋳型に触れている場所です。次に空気に触れている場所、通常は鋳型の上側です。そして、鋳型から離れた型の中心部が最も冷却されにくい場所です。このように一つの液相の中で冷却速度が異なるので、液相内に温度勾配が発生します。それはそのまま凝固の方向性に関係します。金属の凝固はまず鋳型に触れている場所から始まり、そこから中心部に向かって凝固が進行します。この最終凝固部では金属の収縮の影響を最も受けて引け巣などが発生します。

 純金属の凝固組織の代表を図1に示します。鋳型に触れている場所は最も冷却速度が速い場所です。そのため微細な組織になります。これをチル層と呼びます。そこから中心に向かって結晶粒が横長方向に伸びていきます。これは冷却の温度勾配をそのまま表しています。この組織を柱状晶と呼びます。そして、中心部では温度勾配もあまり影響がなくなるため、通常の結晶粒のような等軸晶になります。

 このような凝固組織は結晶粒が大きく、方向性もあるために機械的性質はよくありません。この後、鍛造や熱処理をすることで均一で微細な組織にすることができます。