質量分析
ICPには発光スペクトルを分光分析するICP-AES(Atomic Emission Spectroscopy)の他に質量分析によって分析するICP-MS(Mass Spectroscopy)があります。どちらも溶液試料をプラズマ中に噴霧することは同じです。発光分光分析はプラズマ中の元素の発光スペクトルを測定するのに対して、質量分析はプラズマ中のイオンを直接真空中に引き込み、質量分析を行います。なお、発光分光分析と質量分析はICPの他に固体試料にグロー放電を照射するGD-OESとGD-MSでも行われています。測定感度はAESがおよそppmレベルなのに対してMSはおよそppbレベルのため、MSの方が高感度です。
プラズマ中では元素の多くがイオンとなっています。元素(イオン)の質量は固有のため、質量電荷比(m/z)によって元素の種類を定性分析します。そして、信号強度から定量分析を行います。イオン化した元素はインターフェイスを通り、イオンレンズで収束され、質量分析計で質量電荷比に応じて分離され、検出器で検出します。ICP-MSの模式図を図1に示します。
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