金属材料基礎講座-183

試料導入部

 ICP-AESではプラズマ中に試料溶液を霧状に噴霧するために、試料導入部はネブライザーとスプレーチャンバーから成り立っています。試料導入部の模式図を図1に示します。ネブライザーやスプレーチャンバーにもいくつか種類があります。図1のタイプは同軸型ネブライザー、サイクロン型スプレーチャンバーとなります。試料溶液は最初にネブライザー(水色)に導入されます。ここでキャリアガス(Arガス)によって霧吹きのように試料溶液を霧状の小さいサイズにして噴射します。

 ネブライザーから噴射された霧状の溶液試料はスプレーチャンバー(緑)によって粒の大きな溶液と小さい溶液に分けられます。そして小さな粒の溶液がその次のプラズマトーチに導入されます。一方、大きな粒の溶液はドレインとして排出されます。この時、噴霧された試料溶液の1~8%がプラズマトーチに導入され、分析されます。チャンバー内では噴霧された小さな溶液がチャンバーの壁などにぶつかり、小さな粒と大きな粒に選別されます。

 

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