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エピソード-182

力加減

 全く力がないのも困りますが、力だけなのもよくありません。適度な軽やかさやしなやかさがあると、力だけよりも適応の幅が広がります。確かに物事を始めたころは何も分からないので力一杯、加減なしで取り組みがちです。もちろんそれが悪いことではありません。しかし、続けていくと力一辺倒では限界を感じます。力を入れれば入れるほど無理が生じます。そこから徐々に力を抜くことの重要性に気付いていきます。これはテクニックやノウハウとは違います。ただ、力を抜くこと自体をテクニックとする考え方もあります。もちろん完全に力をゼロにすると成り立たないので、最低限の力で動かすことになります。そうするといわゆる力みが少なくなり、体力的にも精神的にも余裕が生まれます。この「余裕」が良い効果となります。

 決して、一生懸命を否定するわけではありません。一生懸命取り組むのですが、無駄な力を抜いていくのです。基礎トレーニングのような時間をかければかけただけ成果がでることとはちょっと違います。手を抜いてサボることとも違います。楽して成果を出すとも違います。これまでと同じ成果を出しつつ力を抜いていくのです。出来る限り自然な状態でパフォーマンスすることを目指します。そこに適度な緊張感や興奮がきても体が硬くならずに出来るようになります。