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エピソード-176

良いところを見る

 人の良いところを見るというのは単純ですが、思っているよりも難しいものです。なぜなら、良いところを見る前に悪いところが気になってしまうからです。一旦悪いところが気になると、その後に良いところを見ようとしなくなります。そして、実際に良いところを見たり体験しても、記憶に残らずスルーされてしまいます。「あの人はこんな悪いところがある」が全面にでてしまうのです。人の良いところが分かれば人間関係は自然と良くなり、相手のことも考えられるようになります。

 人の良いところを見るためには冷静さも必要ですが、それよりも初めから意識的に良いところを探す目を持つことです。ただ相手を客観的に見ているだけでは良いところは分かりにくいです。「この人はこんな良いところがあったんだ」ではなくて、「この人の良いところはどこだろう」という目です。そして、この目ができれば7、8割は良いところが見えてきます。残りは具体的な行動が何か、というだけです。

 人をどのように見るかは見ている側のことであり、見られている人ではないのです。自分が相手の良いところを見ようとすれば良いところが見えて、悪いところを見ようとすれば悪いところが見えてきます。確かに相手によって態度を変える人はいます。しかし、それと見る側の目線は別のことなのです。良いところを見ようとすればするほど良いところが見えてきます。