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エピソード-144

勝ち負け思考

 人は小さい時から勉強、受験、競技など色々なところで比較されたり競争したりしてきました。そのため無意識的に自分と相手を比較して少しでも相手より勝っている点、優れている点を探します。同時に相手の劣っている点、ここなら勝てる点も探します。これは相手に直接伝えません。自分の中に留めておきます。そして、実際の会話や行動によって、初めに考えた相手より勝っている点のウラが取れると内心では相手に勝利した気分になります。これら一連の思考は全て自分の中だけで起こるので、他人にはわかりません。つまり、誰にも、会社や社会にも全く影響を与えません。これは生産活動や付加価値を生み出していないことと同じです。この思考は時間の無駄ですが、残念ながらほぼ全ての人がネタを変え、相手を変え毎日行っています。これによって適切な生産活動が妨げられています。

 現実的に競争相手や競合他社は存在します。それら実在する相手に対しては勝つため(仕事を獲得するため、より大きな成果をだすため)の計画や行動は必要です。一方、チームメイトや同じ会社の人などそもそも競争する必要のない相手、協力すべき相手でも勝ち負け思考が働きます。なお、チームメイトでも状況的、一時的に競争相手になることはありますが、それは除きます。協力すべき相手とは協力して成果を出すことです。もし勝ち負け思考を実際の行動に移してしまうと、相手を蹴落とし手柄を独り占めすることになります。これは人間関係悪化や足の引張り合いになり、内部崩壊してしまいます。