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エピソード-123

ただ聞く

 人の話を聞いていると、つい自分の意見や考え、または関係する経験などについて話したくなってきます。決して悪いことではないのですが、相手が全て言い終わる前にこちらの話を始めてしまうと、相手は「最後まで言わせて」「まだ全部話し終わってない」と思うでしょう。その話に特別な意味がなければ良いのかもしれませんが、最後まで話をしないと、相手は消化不良となるでしょう。時と場合にもよりますが、言いたいことを全て話し切ることはストレスをためこまないので、良いことです。話を聞いてほしい時に、聞き手に求めることはただ聞いてほしいことです。途中で話をさえぎったりせずに、ただ聞いてほしいのです。場合によっては、何か解決策を提案することを求められるかもしれませんが、それは相手から尋ねられた時に応えます。いわゆる聞き上手の人は、このただ聞くことが上手です。そして、こちらが意見や解決策を話すタイミングを読む力に優れています。

 しかし、仕事においては常に自分の意見、提案、企画、解決策などを答えることを求められます。そのため、ただ聞くということに慣れていないことが多いです。ただ聞くだけだと何の解決にもならないと思われがちですが、「話を聞いてくれた」という大きな安心感を与えることができます。それが信頼関係にもつながります。