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エピソード-118

正しいこと

 ほとんどの人が正しいこと、間違っていないことを進んで行うでしょう。そしてその正しいことは経営データ、顧客情報、製品分析など何かを基準にしていることが多いです。それによって仕事の成果やチャンスが得られることも多いでしょう。しかし、一つの意見があれば、当然それに対する反対意見もあります。適切に対等な状態で議論が進めばよいですが、必ずしもそうとは限りません。片方の意見が正しい、反対意見は悪いこととなってしまいます。そうすると、自然と分断が進みます。実際のところ、正しい意見の方が良い結果がだせるとしても、反対意見を否定することは別の問題を生みます。反対意見の人はそれなりの考えを持って支持しているので、善悪的、感情的な話では納得できません。それに相手の立場にとっては反対意見こそが正しい意見となっている可能性もあります。

 最終的により大きな視点から判断しなければなりませんが、正しいことの押し付けをすると、せっかく正しいことをしようとしているのに、周りから嫌われることになります。極端な状態になると「私は正しいから、何をしても良い」となります。確かに正しいことをするのは良いことですが、だからと言って何をしても良いわけではありません。正義を押し付けた瞬間に暴君になってしまいます。正しいことはどんな時も不変のことのように思われますが、状況や立場によって変わります。あまり正しいことにとらわれ過ぎないことが大事です。