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金属材料基礎講座-112

高張力鋼 (ハイテン)

 高張力鋼は英語でHigh Tensile Strength Steelと呼び、ハイテンとも呼ばれます。鉄鋼材料で引張応力によって規格した材料にJIS G3101 一般構造用圧延鋼材(SS400など)があります。他にはSS材の溶接性を向上したJIS G3106 溶接構造用圧延鋼材があります。高張力鋼の定義は国やメーカーによって変わりますが、一般的には引張応力490MPaから1000MPaの鋼材とされます。引張応力1000MPa以上の鋼材は超高張力鋼と呼ばれます。高張力鋼は炭素、マンガン、シリコン、チタンなどの合金元素を調節して製造されます。高張力鋼は溶接性の観点から炭素量は0.2%程度であることが多いです。高張力鋼は各種鉄鋼メーカーが色々な強度の材料を製造しています。

 高張力鋼は自動車などに使用されています。強度が高いので薄肉化ができるので、車体の軽量化に役立ちます。しかし、高強度な鋼材は延性が低下するので割れなどが発生しやすくなります。また、高強度化によって部材の薄肉化はできますが、高張力鋼と一般の鉄鋼のヤング率はあまり変わらないため、薄肉化しすぎると剛性が低下する問題もあります。