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エピソード-103

絶対ではない

 何事にも絶対に正しい、絶対に間違っているということはありません。科学の世界でも発見当初はよかったことだとしても、数年後に問題が発見されることはあります。論理的な科学の世界でも起こるのですから、人間でも「絶対」ということはありません。人間には論理的な思考の他に感情も持っています。そのため、人の思考において100%、絶対的な法則はほとんどありません。人の性格を表現する時に「〇〇の傾向がある」といった表現がよく見られます。人の性格は相対的要因も含んでいます。例えば「几帳面とがさつ」という要因を見た時に自分よりも几帳面な人はみんな几帳面に見えます。しかし、相手は自分をがさつと思っているかもしれません。これはがさつと思う人に対しても同様です。

 人の性格や育成に対しての研究は昔から行われていますが、いまだに絶対的な法則がありません。遺伝、環境、経験、性格などで人格がつくられます。そして意識的、無意識的な思考や感情が働いています。人が絶対と主張するのは、あくまでその人の意見にすぎないのです。賛成する人、反対する人はいても絶対ではないのです。多くの人から言われることでも、真実というより意見と思った方がよいでしょう。