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金属材料基礎講座-102

金製錬

 金製錬の原料としては金鉱石の他にも銅製錬や鉛精錬の副産物であるアノードスライムなどがあります。金製錬には色々な方法があります。古くから行われていた方法にアマルガム法、灰吹法などがあります。

 アマルガム法とは金や銀の鉱石を水銀に溶解させ、水銀成分を蒸発させて、金や銀を精製する方法です。金や銀は水銀とアマルガムという合金を作る性質があるので、それを利用します。かつて奈良の大仏を作る時に表面を覆う金をアマルガムで作製しました。蒸発した水銀は有毒性があるので、アマルガム法は今ではあまり行われていません。

 灰吹法とは鉛を使用した精製方法です。粗銅には金や銀が含まれていますが、この時に溶解した鉛に粗銅を投入すると銅中の金や銀が鉛側に移動して分離回収できます。金や銀を取り込んだ鉛を加熱して酸化鉛とすると、金や銀が残ります。この方法は南蛮吹きとも呼ばれます。

 銅製錬で出来たアノードスライムから金を製錬する方法として湿式製錬法があります。アノードスライムを塩素ガスで浸出処理すると、浸出液に金、残渣に銀が分離されます。金の浸出液は溶媒抽出によって抽出されます。これをさらに精製し、金粉末、金地金とします。