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エピソード-67

強みを生かす

 強みを生かすというのは人材育成に限らず、製品の性能や品質に対しても当てはまります。会社の製品やサービスが他社や競合よりも何か優れていることがあれば顧客から選択されます。しかし、優れていることが特になければ消去法的に選択されることはあっても、積極的に選択されることが少なくなります。その結果競争力を失っていきます。これは製品やサービスに限らず人材も同様です。誰でも出来る仕事だから順番に人を選択した場合は単調な作業を安い賃金で使われます。相手に選択される立場です。しかし、その人しかできない仕事であれば、むしろ自分が選択する立場に立つことができます。仕事をするパートナーや条件をある程度自分の裁量で決められます。

 では反対に弱みに注目した場合はどうでしょう。人間の自己評価として強みをあまり意識せずに弱みを注目してしまう人がいます。弱みを克服するという考えもありますが、仮に弱みを克服してもそれは他の人の平均程度までしか上がらないのです。その弱みを強みにしている人には全くかないません。弱みに取り組むのは時間の無駄です。会社や集団は多くの人が集まりますが、それは強みを生かすためです。皆が弱みを克服しても自己満足で終わり、顧客からは特に優れているようには見えないのです。成長させるのは強みであって弱みではないのです。