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エピソード-46

知識の使い方

 人は読書やセミナーなどでこれまで知らなかった知識を得ることができます。ちょうどこれはパソコンに例えるとデータ量が増えることです。しかし、このデータの使い方についてはアプリやソフトがインストールされていなければ、データはあっても読込むこと(使うこと)が出来ません。これは人にも当てはまります。例えば魚の三枚おろしについて話を聞いても、そもそも魚をさばいたことがなければすぐに忘れていくでしょう。しかし、それが料理人であれば自分のやり方と比較したり、検討することができるでしょう。

 人の記憶は忘れるように出来ています。役に立つ情報を手に入れても、活用しなければ忘れていきます。人によって活用できる情報も違うでしょう。自分が精通していればしているほど、その情報の真偽や有効性がわかります。まるで自分の経験がアプリのように情報に対して反応します。知識を得ることは大事ですが、経験を重ねて知識の使い方を学ぶことも大事です。

 知識の使い方を人に伝えるのは難しいです。単なる知識ではないからです。そして答えを教えるわけでもありません。言わば解き方を伝えるようなことです。文章にすると簡潔になることがありますが、それを本当に理解するためには知識としての情報だけでなく、体験した経験が必要になります。