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エピソード-40

人の立場

 人には肩書きや役職があります。肩書きは○○会社の△△部のようなものです。役職は課長、部長などです。これらは外見的な立場です。名刺を見れば誰でもわかることです。しかし、その人が必ずその立場、役職の立場を取っているかどうかは名刺や見た目の外見からはわかりません。例えば営業部であれば営業活動や営業成績に対して責任をとります。役職が課長、部長と上がるにつれて責任の範囲が広くなります。そして社長は会社の活動全てに対して責任を取る人です。

 仮に長年営業部にいた人が製造部に移動した直後は、長年製造部にいた人とは経験値が違うので、製造部としての考え方や成果の質が違うことに戸惑うでしょう。この場合、名刺には製造部と記載されていても、本人の立場としては製造部になり切れていないことになります。もちろん時間をかければ製造部としての立場がとれるようになります。

 ここでいう立場は肩書や役職に責任を取るとも言えます。単に事業目標を達成するだけではなく、その立場にふさわしい人格や人柄もあります。同じ職場やチームでも個人によって責任の取り方が変わってきます。責任の取り方は仕事以外にも年齢、性別、出身などによって差があります。仕事のプロセスにより責任を取る人、仕事のコミュニケーションに責任を取る人、仕事の成果に責任を取る人など様々です。それが良い方に働く時は「個性」として表現できます。チームワークが乱れる時は「不協和音」となります。