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エピソード-39

シンプル

 目標などは出来る限り短くシンプルにするべきです。仕事では売上を重要視しますが、それ以外にも顧客に対してアピール出来ることはあります。コスト、品質、納期、流通、地域性、アフターサービス、環境に配慮していること、安全性などです。これらの優先順位によってその会社やその人の目標が決まってきます。どこかの広告のような聞こえの良い目標はむしろ何をしたいのかわかりにくくなる時があります。

 また目標を大きくしすぎるとやることがぼやけてしまいます。「顧客満足を向上させる」というといい目標のようですが、何によって顧客満足を向上させるのかがわかりません。価格なのか、品質なのか、ほかの何かかもしれません。これは同じ製品・サービスでも顧客によって満足するポイントは違う可能性もあります。

 仕事における意見の対立はこの優先順位の対立である場合があります。例えば価格を強みにする意見と、納期を強みにする意見とでは、そもそもの論点が違いますし、影響の範囲や程度も違います。どちらの主張にも正当性があるので、決めるのは難しいです。しかし、どんな意見や主張が述べられても、どんな議論が行われても、決め手となるのはシンプルに価格と納期のどちらを選択するか、ということになります。