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エピソード-32

人を現す

 人の性格や性質は簡単には変わりません。もちろん改善することは出来ます。これは主に自分に当てはまることです。他人を変えようとしても他人は変わりません。変われるのは自分だけです。あえて他人にアプローチするとしたらアドバイスや提案をする程度です。他人はそれを受け入れるかもしれませんが、変わる保障はありません。そうなると、自分から他人の性格などを変えようとすることは出来ないのでしょうか。

 直接的に他人にアプローチすることはあまり効果がありませんが、「他人を現す」という観点からある程度アプローチすることができます。人は初めて会う人に対してはほとんど情報がないので見た目の雰囲気などでどのような人か想像します。そして、挨拶をして会話をすることで相手がどのような人か理解していきます。それと同時に「この人は〇〇な人だ」というイメージを持ちます。例えば最初に会う時に相手が時間に遅れて来ると「時間に遅れる人」というイメージを持ちます。そうすると、どんな時でも時間に遅れる人という目でその人を見るようになります。例えそれが1回のみであったとしてもです。その後どんなに時間厳守を行ったとしても残念ながら「時間に遅れる人」というイメージの人には時間厳守な姿が伝わりません。

 人は目で見たことだけでなく自分のイメージや先入観にも大きく影響されます。ほとんど無意識に○○さんは○○な人、△△さんは△△な人とイメージしています。このイメージが「人を現す」ことです。これを変えることで今まで気づかなかった相手の一面が見えるかもしれません。