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エピソード-30

責任

 「責任を取る」というと、何かトラブルや良くないことの罰則を受ける印象が強いでしょう(responsibility)。一方で「責任を果たす」という言葉は「キチンと、しっかり仕事をこなす」という意味もあります。この場合約束を果たすというcommitmentのニュアンスに近いです。「結果にコミットする」という某広告のフレーズです。このresponsibilityとcommitmentを「責任」という言葉でひとまとめにすると、responsibilityの方が影響が大きくなり、責任という言葉にネガティブなイメージを持ちやすくなります。しかし、commitmentの意味であれば、罰則ありきではないので、全力で仕事に取り組むのみです。

 現実的に大きな仕事の責任を100%一人で果たすことは少ないでしょう。全体の中の一部、自分が行う範囲について責任を果たすことになるでしょう。そこでの責任果たし方によって結果は大きく変わります。良い仕事をするか、手抜きの仕事となるか、結果は明らかです。責任は単なる仕事の業務範囲に限らず、自分自身の誠実さにも影響します。自分の能力をどれだけ使うか、予定、計画、結果に対してどの程度こだわるかです。いわゆる責任感の強い人、結果を出す人は責任(commitment)を果たしているのです。特別な能力があるわけではありません。大きな責任を果たせる分野が、その人または会社の強みとなります。