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エピソード-20

悲劇の主人公

 自分にほとんど非がないにもかかわらず、理不尽な出来事が起きる時におちいる状態があります。それが「悲劇の主人公」です。例えば、ある日突然好きな仕事を外されたり、いわれなきことで悪い噂が立ったり、減給・降格処分になったり、友達から急に冷たくされたりすることなどです。このような出来事が起きると、大半の聞いてる人は同情してくれます。しかし、ここには大きな落とし穴があります。

 一度、この状態になると、自分で解決しようという気力が次第に減っていきます。そのため、ただ単に「自分は可哀そうな人」つまり自分は「悲劇の主人公」として周囲に話すようになります。周りの人は同情はしてくれますが、それだけです。中には解決策を提案してくれる人もいるかもしれません。しかし、本当に解決できるのは本人だけなのです。もちろん解決には大変な努力、時間、仲間、お金などが必要なこともあります。 

 この「悲劇の主人公」は自立した人間として愛と感謝を届けるという生き方とは違い、単に周囲の注目を集めるだけの状態です。そこには人としての愛も尊敬も生産性もありません。本当にこの状況を抜け出すためには、自分自身が本気で「悲劇の主人公」をやめるしかありません。「やめる」と決めれば必ず解決できます。私も解決できました。「やめる」ことは同時に自分の目標を明確にして、嫌な出来事も他人のせいにしないで自己責任で生きることでもあります。