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エピソード-11

大事にしている言葉

 自分だけのこだわりのようなものを持っている方は多いでしょう。それは例えば、日々の起床時間や出勤ルートなどの行動面だけではなく、基本的な考え方も含まれます。例えば、理論的な計画が大事だと思う人、まずは行動することが大事だと思う人、自分の友好関係が大事だと思う人など様々でしょう。人と交渉する時などは、この相手が大事にしている考え方にどれだけ寄り添うことができるかで、関係性が左右されます。そしてこのようなことは、5分、10分話しただけでは到底分からないことがほとんどです。半年くらいたつと少しずつ感じてきます。しかし、それでは時間がかかるため、もっと早く相手のことを感じるようになりたいです。

 この時に注意する点として、相手の言葉があります。これは改まって話すことよりも、とっさの時に口からでるような言葉の方がいいです。その方がより相手が無意識に思っていることに近づくからです。本人が気づいていない口ぐせのようなものです。例えば、仕事で過程よりも成果を重要視している人であれば、納期や成果物についてこだわるため、それに関する発言が多くなるでしょう。反対に過程を重要視している人であれば、日々の進捗や工程に関する発言が多くなるでしょう。あるいは対人関係を重要視している人であれば、仲のいい人、悪い人との関係についての発言が多くなるでしょう。これは良い悪いではなく、「この人はそういう考えの人」として見ることです。自分と違う考えであることの方が、むしろ自然なことです。そのようにして相手のことを知っていきます。