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金属材料基礎講座-11

相律

 ギブスの相律とも言いますが、単に相律とも言います。通常、1つの系を扱う時に成分が1つだけの時と2種類以上の時があります。成分が1つの時を1成分系、成分が2つの時を2成分系などと呼びます。そして、系を扱う時には系に含まれる成分とともに液相、固相、気相などの相も扱います。相律とはこの成分と相によって自由度が決まるという関係で次式で表します。

 

 F=C-P+2

 

  F:自由度

  C:成分の数

  P:相の数

 

 自由度とは温度や圧力などを変化させることができる項目の数です。例えば、水であれば、成分としては1つです。ここで、水を構成する水素原子や酸素原子などは扱いません。あくまで「水」という単一の成分を扱います。水には液相(水)、固相(氷)、気相(水蒸気)の状態があります。水は1気圧であれば0℃から100℃までは液相として存在します。100℃以上の温度では気相、0℃以下の温度では固相となります。相が1つの時の自由度はF=1-1+2=2となります。これは温度も圧力もある範囲内であれば変化させることができることを表します。

 次に、例えば0℃では固相と液相が変化する凝固点となり、100℃では液相、気相の2相が存在する沸点となります。この時の自由度はF=1-2+2=1となります。この時は、温度または圧力のどちらか片方しか変化させることができません。最後に液相、固相、気相の3相が存在するときの自由度はF=1-3+2=0となり温度と圧力もある一定値になり、どちらも変化させることができません。このような状態を三重点と言います。

 金属材料を扱う時には圧力はほぼ一定として扱うことが多いため、実用上、相律の式を以下のようにして扱います。このような系を凝縮系と言います。

 

 F=C-P+1