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エピソード-5

自分と相手は違う人

 「自分と相手は違う人」と言われたら、ほとんどの人が「当たり前」と感じるでしょう。人の個性とは例えば顔立ち、身長、体格、年齢、性別など見た目のことと、考え方や趣味や性格など見た目では分からないけれども、その人を現すことです。これら人の個性とは、持って生まれた遺伝子と、例えば出身やそれまでの生活環境や出会ってきた人間関係などによって大部分は決まってきます。我々は誰一人として完全に同じ生き方をしている人はいません。そのため、見た目も考え方なども違っていて当然なのです。ですが、時に我々は「私が思ったことと同じことを相手も思っているはず」「Aさんに言ったことをBさんにも言ったら同じ反応をするはず」などのように日常生活においてほぼ無自覚的に自分と相手(一人でも複数でも)を「同じ考えをする人」と捉えてしまいがちです。人間関係のすれ違いの一つとしてこの考え、意識があるでしょう。

 もちろん人によっておおよその考え方の傾向はあります。しかし、毎回ゼロから相手を見ていては日常生活が破たんします。相手にも感情があります。気分のいい時もあれば、悪い時もあるでしょう。コミュニケーションをする際には、自分自身は常にフラットでニュートラルな状態でいることです。そうすれば、その時の相手にとって最も伝わる言葉というのが自然と出てくるでしょう。