破面組織

材料が破損したときにその破面の状態を観察することは原因調査を行う場合、非常に重要です。材料の形状や応力のかかり方によって破損の状態も様々です。ここでは典型的な破面組織を紹介します。

内部起点破壊

内部起点は通常、不純物介在物であることが多い。起点を中心に放射状の跡が観察できる。起点周囲は通常の延性破壊や脆性破壊よりもへき開破壊の方が起こりやすい。

脆性破壊

破面に結晶粒が確認できる。破断したときに伸びを示さずに結晶粒界に沿って破壊する。脆い材料、マルテンサイトなどの非常に硬い材料、低温脆性などに観察される。

延性破壊

脆性破壊とは逆に結晶粒が全く確認できない。破壊するときに結晶粒が引き伸ばされて破壊する。延性破壊の凸凹をディンプルと呼ぶ。

擬へき開破壊

原子の結合力の最も弱い結晶面で割れるパターン。内部起点の近くなどで観察される。

ストライエーション

金属疲労の割れの進行に現れる特徴的な模様。材料に負荷される応力がき裂先端からμm規模の割れとなってストライエーションが形成される。