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金属材料基礎講座-205

てこの原理

 状態図において合金の組成や量的割合はとても重要です。組成は横軸から読み取ることが出来ますが、量的割合はてこの原理によって計算します。状態図には液相線や固相線など様々な線が描かれます。これら線と、測定すべき合金組成や温度によって計算します。

 図1に全率固溶状態図の例を示します。そして組成c%合金の温度Tの時の液相Lと固相αの量的割合について計算します。まず点cにおいて横軸と平行な線を引き、液相線、固相線との交点を求めます。液相線との交点の組成がy、固相線との交点がxとなります。このy、xが温度Tにおける液相L、固相αの組成になります。

 そして量的割合は線分xyと点cを元に計算します。液相Lはcx(赤線側)/xy(全体)、固相αはyc(青線側) /xy(全体)となります。図1の(2)の矢印が示すように、点cを中心にして液相L、固相αのどちらも点cの反対側の線分の比率になります。これは天秤の支点と重りのつり合いににていることからてこの原理(てこの法則)と言います。

 

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